2012年4月30日

心地いい空間|そば処 すがわら

「すがわら」の店先を流れる清流。水の流れる音を聞きながら食事ができるのも嬉しい。










友人のお誘いで、以前から気になっていた「すがわら」に行ってきました!
仕事でやむを得ずの外食は何度もあっても、こうやって気心知れた友人たちと過ごせる久々の自分時間にちょっぴり心弾ませながら、南三陸町の山間部へ。
車から降りたった瞬間、せせらぎの音に耳を奪われました。今は亡き市街地からたった10分程度車を走らせただけで「あっ、そうそう。南三陸にはこんな空間もあったっけ」なんて思ってしまいました。
そんな余韻を引きながらくぐった暖簾の先には、にこやかにほほ笑む菅原さんの姿。
「お待ちしておりました。」
通された1室は、俗にいう茶の間で、家庭の雰囲気も残しつつ、きちんと隅々まで整っているところがまた心地いい。

実は初めての組み合わせでの友人たち、まずはきりっと冷えたビールで乾杯。
さぁ、ここからが物語の始まり~。
手づくりこんにゃくの味噌田楽に始まり、ごま豆腐、お刺身、季節の天ぷら、トマトの茶わん蒸しに仕上げのおそば。だったと記憶しております。

そば処 すがわら
そのどれもが店主の心を感じる逸品でした。特にごま豆腐。私はもともとごま豆腐好きで、それというのも山形のとある旅館で出たそのごま豆腐の美味しかったこと!舌の上で滑らかにとろけるあの触感がやめられなくて、いろんなお店でもお取り寄せでも数々試してみたけど、なかなかあの触感には巡り会えず。実は今回もあまり期待はせず口に運んでみたら。灯台下暗しとはこのこと。こんなに近くであの触感に出会えるとは!
開始早々ちょっとやられた感を抱きながら、飲み物はビールからお酒へ。
ここでも好みの地酒、綿屋(一迫町)に出会え、さらには店主選りすぐりのグラスがキンキンに冷えて登場。全てがお好みをチョイスできる贅沢、そして拘り。久しぶりだな~ってつくづくこの時間に感謝。
それだけでも個人的にはストライク入っていますが、さらに感激は季節の天ぷら。出てきたのはお皿のみ。そう。店主自らが揚げたてをひとつひとつ丁寧に取り分けてくれるのです。次の一品が出てくる間がまた絶妙で、こちらの動きを全てキャッチしているかのようなタイミングがまた心地いい。
このゆったりさと心地よさで少々お酒もすすみ過ぎた感じはありますが、それも含め贅沢な料理と時間をたっぷりと味わいました。

時は金なりというけれど、日々喧騒の中で過ごす私にとって、心のこもったお料理とこの時間は自分へのご褒美になりました。

そんな空間で友人たちと酌み交わす時間、ぜひまたお伺いしたいお店になりました。

Text = 匿名 Photo = K.Yamauchi(Progress南三陸 編集長)